EeWriterのE-PADは大味なE Inkタブレット
8月はAWS認定の試験勉強に忙殺され(落ちた)9月は燃え尽きていました。
そんな中、Kickstarterで出資していたE InkディスプレイのandroidタブレットE-PAD
が届きました。
ちょっと使ってみただけで言いたいことが結構出てきたのでレビューしていきたいと思います。
TL;DR
- サイズ感がちょうどよく、書き心地も結構いい
- 本体も追加注文した純正ケースも全体的に作りが荒い
- BOOX買ってみたくなった
開封
外装。ガジェット系によくある高級な感じではなく厚手のボール紙のようなパッケージ。高級なパッケージは所有欲を満たしてくれるんですけど、どうせ捨てないといけないしバラすのが大変なのでこれくらいで十分です。
中身は画像の通り。ペンは別オプション。本体の他にはSIMカードのイジェクトピン、USB-USB Type-Cのケーブル、説明書に保証書。画像以外には別オプションの蓋付きタブレットケースがあります。
充電器はついてきません。あっても使わないので構いません。
見た目
正面画像。スリープ状態だと手書き風画像が表示されます。Kindleみたいな感じですね。ただKindleと違って画像は1種類だけです。
裏面。銀色の面は触れるとひんやりしているのでおそらく金属製です。縁の白い部分は樹脂製です。
保護シートが最初から貼られているのですが、貼りがかなり雑です。ゴミが入ってますし縁の方は空気が入って浮き上がっています。しかしこの保護シートが紙っぽいザラッとした質感を出しているので剥がすに剥がせず悩ましい。
本体右側面の上部にSIMカードスロット。技適の関係でネットに接続しない(できない)ので使いません。
上部には電源ボタン。一般的なスマホの電源ボタンの押し心地。
底面。USB Type-Cのポートと隣にマイク穴。両端はスピーカー。タップ音でしか音は聞いていませんが聞いた限りではおそらくモノラルかと思われます。
スペック表を見た時にE Inkリーダーにスピーカーなんているか?と思ったんですが、画面切り替え時にワンテンポ遅れて反応する都合上、音でタップしたかどうか分かるのは助かります。
触ってみた
ホーム画面はインストールしてあるアプリがすべて表示されるiOS方式。androidらしからぬUIが物珍しいです。
画像はプリインストールの状態から変わっていますが、Kindleは最初から入っています。Yahooニュースアプリなんかも入っていましたが消せます。
アンインストールやアプリの位置の移動はできません。アンインストールは右下のSettingsのAppsから消します。
ヘッダ部分は左から起動中のアプリ一覧、謎の刷毛ボタン、画面の濃さ調整、スクリーンの縦横変換、バックライトのON/OFF切り替え、音量調整、Wi-Fi、バッテリー残量、となっています。
E Inkといえば電子書籍リーダーとしての役割が大本命です。
Readerで内部ストレージ内の書籍一覧が表示され、読むことができます。が、プリインのリーダーは本当に最低限の機能しかありません。通常のandroidと同じく、開くアプリを選択できるので、Perfect Viewer
なんかで読むのがいいです。
Readerからファイルを開こうとするとファイルが見つけられないことがあったので、その場合はPerfect Viewer
から直接ファイルを開くとうまくいきました。
液晶の質はむちゃくちゃいいという感じでもないですが悪くもないです。ただ表面のガラスと描画面の間に隙間があり、画面が奥まって見えるのが気になります。
電子書籍リーダーと双璧をなすのが手書きメモツールとしての役割。画面下のNoteからメモの一覧画面に遷移し、新しいメモを開いたり、今あるメモを編集できたりします。
メモは白紙の他に罫線、方眼紙、ドット、英語の4線ノート等から選べます。
肝心の書き心地ですが、他のペンタブやE Inkタブレットに書いたことはないのでわかりませんが、なかなかいいと感じています。
ペンの追従はほぼリアルタイムですし、保護シートのザラッとした質感も相まって書いている手応えを感じられます。他の面に手が乗ってても誤検知しません。
問題点
とまあ基本的なところは見てきたんですが、いくつか気になる、というか個人的には結構な問題点が散見されたので書き連ねていきます。
戻るボタンで戻れない箇所がある
タブレット下部についている丸いものは戻るボタンなのですが、このボタンを押しても戻れない画面があります。通常のandroidであればホーム画面に戻るなりでなんとかなるんですが、このタブレットの戻るボタンはホームではなく、あくまで1つ前に戻るなので困りものです。
こういうときはヘッダの起動中のアプリ一覧→何もない箇所をタップ→ホーム画面、という方法で乗り切るしかなく、若干不便です。
純正タブレットケースのロック解除が役に立たない
別オプションで買ったケースですが、こいつが純正と呼ぶには微妙なクオリティです。
蓋がついており、閉めるとスリープ状態になり、開けると解除されるというつもりで作ってあるのでしょうが、想定通りに動きません。なぜならこの蓋、一般的に閉めた時に固定する方法がなく、常に若干隙間が空いてしまうからです。そのせいでスリープのON/OFFがおかしくなり、開いた時にスリープし、閉めた時に解除されるという意味不明な挙動をしばしば引き起こします。結局電源ボタンを押して解除するという本末転倒さ。
ノートを送る手段がない
先程いい感じ評したメモですが、こいつにも割と致命的な欠点があり、手軽にシェアできる機能がありません。一応送る機能自体はサポートしているみたいですが、技適の関係上ネット・無線系は使えません。
USBでPCと接続すると内部ストレージが見られるのですが、メモがありそうな場所にメモがありません。他のところも探しましたが、結局見つけられず。書いたものをPCに送ったりして手書き文書とデジタル文書を一括管理しようと考えていたので、これは残念な仕様です。
セキュリティロックがない
これが一番の問題で、タブレット自体のロック機能がありません。
外に持ち出す時に誰でも見られるような状態なのはセキュリティ的な観点でもそうですが、精神衛生上もあまりよろしくありません。物理媒体では本やメモなんかにロックを掛けるようなことはそうないからいいという考えなのかもしれませんが、個人情報が含まれるようなタブレットに関してはPINでもパターンでもいいのでロック機能が欲しかった……。
まとめ
ここ最近E Inkディスプレイのandroidタブレットがいくつか出てきていますが、その中でも安く手に入りそうなので出資したE-PADですが、いいところもありますが、正直期待値までは達しなかった出来でした。
いくつかソフトウェア的な改善によって劇的によくなりそうな部分もあったので期待したいですが、ハード的な部分・周辺に作りの甘さはいかんともしがたいです。
そこへいくとこの界隈で最有力なBOOXシリーズは一体どれくらいの出来なのだろうと気になってきました。それなりに満足いく品質なのかもしれませんが、同じようなサイズ感のものは倍以上の値段がするので、高いなーと悩ましくもあります。
そう考えると値段とのトレードオフと考えれば十分な出来とも言えるのかもしれない、そんなタブレットでした。