ひっざにや

日本のスカイリム地方に住むエンジニアのブログ

完全SIer脱出マニュアル(書籍版)を読んだ

完全SIer脱出マニュアル

TL;DR

  • インプット・アウトプットしようという意欲をひたすら高めてくれる本

感想

完全SIer脱出マニュアルを買って読みました。
同人版は読了済みなので後輩への布教用とお布施と思って買いました。
同人版3章に対して書籍版では4、5章が追加されており、転職したその先のキャリアパスが紹介されています。
結構過激なタイトルに反して、転職というイベントを通じてエンジニアの適切なインプット・アウトプットの仕方とは何かをレクチャーしてくれる本という印象です。
この本には難しい話も深い話もありません。読み終えたら自分もなにかやらなきゃと思わせる、エンジニアに向けた自己啓発本とも言えます。

完全SIer脱出マニュアル

完全SIer脱出マニュアル

  • 第1章 なぜ「エンジニア」はSIerを去るのか
  • 第2章 自分や環境を変えるための前提知識
  • 第3章 完全SIer脱出マニュアル
  • 第4章 転職したその先のキャリア
  • 第5章 一生楽しく働くために

第1章 なぜ「エンジニア」はSIerを去るのか

一般的な「IT企業のエンジニア」のイメージと、SIerの実際の業務内容との間に大きなギャップがあるから去るんだよね、という話。
SIerのエンジニアの一日が紹介されていますが、前職がSIerでSEやっていたので「どこもやってること同じだなあ」と遠い目をしながら読みました。
世の中ではこんなに新しいものを取り入れて仕事してるのに、うちはなんでまだSubversionOracleStruts(しかも1系)なんて使ってんだぁ……と思ってたことを思い出しました。あと、なんでWeb上でブログやってる人やQiitaで投稿してる人ってあんなにキラキラ楽しそうに仕事してるんだろう、とか。

第2章 自分や環境を変えるための前提知識

6つのワードの画一的なイメージを覆していく章。

  • 「仕事」
  • 「成長」
  • 「IT企業」
  • ベンチャー企業
  • 「エンジニア」
  • 「転職」

個人的に興味深かったのはベンチャー企業で、給料が安く、やりがいを食べて生きる人しかいないという項でした。(このタイトル自体がパワーワード感ある)
ベンチャー企業は、収益が安定していないから給料が安いのではないかというのが一般的なイメージが支配的です。
ですが、実際は人が少ないので一人あたりの会社への影響力が大きくなるので、いい人でないと会社が傾く可能性があることから採用や雇用に支払うコストが高くする傾向があるという説明は納得感がありました。

第3章 完全SIer脱出マニュアル

本編。
全体を通してSIerから転職するまでをステップに分けて解説しています。
どうやってエンジニアとして必要な情報をインプットしていくのか、自分のスキルや意欲を可視化できるようにアウトプットしていくかということや、転職の面談・面接への臨み方について説明してくれています。
まずPCを買うところから書いているのが実用的でいいです。デスクトップではなくラップトップを買うべきというのもよき。
GitHubやQiitaや個人ブログのアカウントを作る、というのは大いに参考にしました。というかこのブログを始めたのはここのアドバイスのおかげです。
この先続けられるかはともかく、こういう風にアクションを起こせたというだけでこの本の価値は非常にでかいです。社内に留まらないアウトプットをしていくきっかけを掴めたという点で意義の大きい章だと思います。

第4章 転職したその先のキャリア

転職後に関わるべき事業、職種、就業形態の選択肢を挙げて解説する章。
個人手に発見は少なかったですが、グロースハッカーという職種については初めて聞いたので知れたのは良かったです。

第5章 一生楽しく働くために

キャリアの選択肢の広げ方について説明している章。
個人的に最近の関心であるスキルセットのユニークさを高めるについて短いながらも触れられていましたが、その他多くは第3章で触れられていたことの延長という感じです。

まとめ

たとえ今いる会社がSIerでなくとも新人エンジニアにぜひ一読させたいですね。
転職してほしいとは思いませんが、未経験者がこういう本で意欲を高めて勤勉になると自分も焦って勉強しなきゃと思えるので。
ちょっと前までは正直家に帰ると何もしたくないと思っていたのに、そんな気持ちに火を点けたという意味で価値のある本です。